【3、このままではものは増えるばかり 】





このままでは物は増えるばかり なぜ老前なのか



 月日とともに、年を重ねるごとにものは溜まっていきます。これは捨てたり手放すものよ


り、買うもの、いただくものなど入って来るものの方が多いからです。


 試しに一度、一週間にどれだけのものが家の中に入ってくるのか、中元歳暮や何かのお礼


のいただきもの、食品や郵便物、チラシなどを数えてみてください。いかに入って来るもの


が多いかがよくわかると思います。


 今よりも5年後、10年後の方がもっとものが増えていることでしょう。だからこそ、早く


整理する方がものも少なく、片づけのハードルが低いのです。


 ものを増やすことと捨てることを比べると、どちらが簡単でしょうか。そうです、もちろ


ん増やすことは簡単で、捨てることはとても難しいですね。


 それは逆じゃないかと思われる方もいるでしょう。しかし多くに人は物が足りなくて困っ


ているのでなく、多すぎて困っているのです。なぜだと思われますか。


 これは「もったいない」や「高かった」「まだ使える」という気持ちが、いざ捨てようと


したときに必ず立ちふさがるからです。


 そして「いつか、そのうち」と思っているうちに時間が過ぎてしまったという人も多いで


しょう。






 戦後のもののない時代を過ごしてきた世代は特に、ものを捨てるということ自体ができな


い、捨てることに苦痛を感じるという方もいます。またこの世代に育てられた娘や息子にも


同じ価値観が伝えられている場合もあります。


 もったいないというお気持ちはよくわかりますが、このまま放っておいてもものは片づき


ませんし、問題は解決しません。また、家の中の収納スペースは無限ではありません。


 何を残すかを考えて選択していかないと、ものに埋もれて生活ができなくなるのではない


でしょうか。家の中にものがあふれ、そのせいで日々の生活が不便になったり不自由になっ


たりしたらどうでしょう。ものが主役ではなく、人間が主役なのです。


 私の経験では、年を重ねるほどものを手放せないもので、ものがあることが安心につなが


っているようです。だから介護を受けている高齢者のものを勝手に片づけてしまうと、精神


的に不安になったり、取られたという妄想に発展する場合もあります。


 だからこそ、早めに自分で決断と実行をしていただきたいのです。これは人に無理強いさ


れてもできませんし、することでもありません。ものの価値観は夫婦でも親子でも違いま


す。





 夫が大切にしている学生時代の片袖が敗れているラグビーのユニフォームを、妻が「そん


な汚いもの捨ててちょうだい」と言えばどうなるのか、想像がつきますね。


 大切にしていたものを手放そうと決断するには心の整理と時間がかかるものです。


ものの整理は自分が納得し、自分のためにやってみようと踏み出さないとはじまりません。


 それがこれからの暮らしの安全や安心につながるのです。


どちらにしろ、「老前整理」は一筋縄ではいかないと覚悟していただく必要があります。


『心と暮らしを軽くする『老前整理』入門』より         







        




     



























     

             
                                                                                        


                                                           





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