老前整理のナッジ12

【悩みの種の洋服を片付ける



わかっているけどできない

 洋服が整理できず、頭では分かっているけれど、行動に移せないという方が多いよ

うです。

そこで、洋服に別れを告げる方法を3つ紹介します。

 まずは着て鏡の前に立つこと。これでも決断できなければ、別れの儀式3つ。最後

は、保留にしているものを客観的に見直す方法です。

 これならできそうだというやり方で、まずは一歩踏み出していただければと思いま

す。



女性の整理したいものbP

                         

 片づけたいものは人により違いますが、女性の場合1番は洋服男性は蔵書です。

したがって洋服についての思いはかなり男女差があるようです。

 男性の思い浮かべる洋服はほとんど背広など仕事につながるものです。

 女性が洋服を手放せない主な理由は二つあります。「高かった」「まだ着られ

る」です。

(「なぜ」こう考えるのかについては、行動経済学と老前整理2 【ものを手放せな

いのはなぜ?】をご覧ください)

 このような洋服はタンスに眠ったままでは「もったいない」し「まだ着られる」の

ならどんどん着てください。

 この三つの理由は引っ張り出して鏡の前で「着てみる」ことで解決できます。

 つまりサイズが合わなければ諦めるしかないのです。

 また、着られるけれど、なんだかピンと来ない、色も派手になったとか、髪の色に

合わないような気がしたら、潔く手放す決断をしてください。

 あともう一つ隠れた理由が「流行はまためぐってくる」です。

 ある女性は最近の肩パットの入った洋服を見て、「ほらね、また肩パッドの出番が

来たわ、しまいこんでいる洋服を出さなくては」と張り切っていました。

 この話をどう思いますか。うちにも肩パッドの入ったものがあるわと思い出した人

がいませんか。

 20年以上前かと思いますがジャケットだけでなく薄いブラウスまで大きな肩パッド

が入っていた時期がありました。二つもパッドが重なると肩が盛り上がってアメフト

の選手のようでした。

 確かにスカート丈やデザイン、流行色と、以前流行ったものが時を経てまた現れま

す。しかしよく見ると微妙に違うし、着てみるとその違いがわかると思います。

 またその頃と比べると自分自身も変わっています。今の自分にピッタリくるもの

一番だと思いませんか。



洋服に別れを告げる儀式

 洋服は「かったから」「まだ着られる」などの理由でなかなか手放せないよう

です。

 その場合、一度鏡の前で着てみましょうと話をしますが実行率はどれくらいでしょ

うか。

 着てみたらまだ着られるからと元に戻したり、着られないけれど生地が良いから何

かに使えると紙袋に入れたまま眠っていませんか。

 このようにわかってはいるけれどなかなか実行できないのも現実でしょう。そこで

三人のやり方を紹介します。

1、Aさんはもう着ないと思った服にエイッとハサミを入れます

するともう着られませんね。この時、生地として再利用できるものは使う大きさに切

っておきます。

たとえば子どもの体操服を入れる袋なら30センチ四方とか必要なところだけ切り取

り、後は捨てます。

 Aさんによるとハサミを入れる時が一番つらいけれど、ザックリ入れてしまえば、

その生地が使えるかどうかでさばさばして判断できるそうです。

2、Bさんは生地を利用する気はなく、思い出を大切にしたいタイプ。

そこで10センチ四方の生地を切り取り、ノートに貼って保存します。

 しかし残りの部分もすぐには手放せず2〜3か月リビングにハンガーで吊るしてお

き、もういいと思った時に処分するそうです。

 切らずに吊るしておくと、いつまでたっても踏ん切りがつかないので、まずハサミ

を入れ、別れを惜しみ、さようならという「儀式」のようなものだそうです。

3、Cさんはまだ着られるけれどこの数年着たことがない洋服があれば、スーパーで

もどこでもとにかく一回着て出かけます

 そしてこれからも着ようと思うなら残し、もう着ないと思えば処分します。つまり

一回着て決断するそうです。無理をせず、自分なりの洋服との別れ方を考えてみませ

んか。

『転ばぬ先の老前整理』


保留を失くそう

 洋服の仕分け法をいくつか挙げました。ここで紹介するのは仕分けで「保留」にな

ったものの考え方です。

 きっかけは、あるテレビ番組の企画で50代の女性の洋服の仕分けのお手伝いをする

ことになりました。

 従来通り「着る」「着ない」(着られない)「保留」に分けることにしました。

 しかしこの女性の洋服の数は想像以上で「着る」「着ない」で1メートルくらい

の高さの山が2つできました。

 そして同じくらいの「保留」の数が78です。そこでこの「保留」を何とかできない

かと次のチェックリストをつくりました。


判定 
○×

わかりやす
い特徴 

お気に入りの評価 5段階

購入してからの年数

価格 高かった、普通、バーゲンなど

着た回数 サイズ
(着られる
か)

デザイン(今も着られる?)

備考
(思い出)

例1

×
8年
10回
×

例2
×
15年
普通
100回以上
×
袖口ほころび

                                     (c) くらしかる  番組ではこの表を基に、1枚1枚チェックをしてもらいました。

 わかりやすい特徴、お気に入り度の5段階評価、購入してからの年数、価格、着た

回数、サイズ、備考です。

 備考は袖口にシミとか、子どもの入学式に着たとか思い出も含まれます。こうして

保留をチェックして残ったのは10点あまりでした。

 洋服の仕分けをする場合に、どうしても「お気に入りにものだった」とか「高かっ

た」「思い出」を過大評価して判断しがちです。

 しかし例1のように8年の間に10回しか着ていないブラウス、デザインは古い。こ

れはもう着ない! でしょう。こうして全体としてみてこれからも着るかどうかを判

断します。

 作業が面倒に思われるかもしれませんが、慣れると判定もだんだん早くなります。

78枚も1時間ほどで終わりました。

 付け加えれば、洋服を客観的に見るこのやり方はどちらかというと男性向きだと思

います。

 男性の背広やスーツは仕事の勲章でなかなか手放せないようですが、妻にしてみれ

ばもうよれよれになっているのに、どうして捨てないのかわかりません。

 たぶん背広の裏地に過去の仕事が染みついているのでしょう。そのような思いは一

度横に置いて、例2のようにチェックリストを見て判断してみてはいかがでしょう。

『転ばぬ先の老前整理』  『老前整理の極意』より

男性の背広などについては『定年男の老前整理』をご参考に                                             




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