【13、親や家族の介護中】





介護をしている人ほど自分を大切にしよう





 在宅介護の現場では、ものが多すぎて不便、不自由になっていてもなかなかモノを片付け

られません。老老介護も多く、これでは介護をする方が倒れてしまうのではないかと思うこ

ともしばしばあります。
 
親のものをこの状態で片付けることは難しいので、ほんの少し介護の現場でできることを

考えてみましょう。
 
 ポイントは、ベッドの周りには本当に必要なものだけ置くこと。ベッドの周りにまとめ買

いをした介護用の紙おむつのパックがいくつも積み重ねてあったりすると、通行の邪魔にな

り、介護のスペースも狭くなります。

 今、使っているもの、必要なものだけを近くに置き、余分なパックや道具は近い押し入れ

など、できるだけ出しやすい場所を考えて、介護のスペースを見直してみてください。
 
 一度置くと、なかなか見直す機会がありません。そこでもう一度見回してみてください。

ベッドの位置、車いすは通りやすいか、介護はしやすいか、トイレに行く通路に転倒の原因

となるようなものが置かれていないか。

薬やタオル、ティッシュはどこに置くか。介護で必要なものは取りやすい位置にあるか。

 どのようにすれば介護をする人の負担を減らせるかなどです。ヘルパーなど福祉関係者に

アドバイスを求めるのもよいかもしれません。

 無理をせず、できることをできる範囲で始めてみてください。

 そして「自分を大切にしよう!」は、介護する家族をないがしろにしろという意味でな

く、介護をする人間が倒れれば共倒れになるからです。








家族を介護をする人の気持をリフレッシュ


 老前整理を始める前に、、介護をする家族についてサポートができないかとセミナーを


企画し失敗に終わった話をしましょう。


2008年に大阪市の東淀川区役所に、くらしかるが企画提案して開催していただいたのが


「介護者のための気持ちリフレッシュ講座」でした。


 2週間に1回で全4回、時間は14時〜15時30分。対象は介護をしている方、又は


介護をしていた方で、毎回専門家に来ていただき座学でなく体験を心がけました。


 参加者の年齢は40代から70代まで全員女性でした。内容は次の通りです。






第1回 オリエンテーション 仲間つくり


第2回 パーソナルカラー 


第3回 力のいらない介護法  


第4回 アロマでハンドマッサージ






こうして介護をする人のリフレッシュのためにと企画し、最低でも50人は集まってもらえる


だろうという予想に反して、参加者は平均13人でした。


 セミナーは無料で会場は区役所です。区の広報で案内もしてもらいました。


 なぜ参加者が少なかったか、原因は「介護で出られない」です。


 もちろん、そのことは理解しているつもりで、昼食を済ませた後の時間で、2時間は無理


だろうから1時間半で、ヘルパーの手配などもあるので告知も早めにしたつもりですが、ま


だまだ甘かったのです。


 当日に介護をしている夫の具合が悪くなった、風邪を引いたなどのキャンセルもありまし


た。


 人数が少ないということは良い点もあり、参加者が仲良くなってくださったことです。


この時にアンケートを取りました。










■悩んでいたことは何ですか。


・自分の時間を持ちたい


・ひとりで考え込んでいた


・外出しにくく取り残された感じ


・一時でも家のことを忘れたい


・自分がどう思われているか不安(近所の人、親せき)


・要介護5だから大変で、1だから大変ではないということはないのに、


 そういう風にはなかなか理解してもらえない。

















「私は大丈夫」と思っていてもいざ介護となり、それが何年も続くと、閉塞状態に陥りま

す。そこで介護で共倒れにならないためには悩みの反対を実行するのです。















■自分の時間を持つこと。家族やヘルパーなどの手助けを得て、自 分の時間を持つ。そのことに罪悪感を持たず、介護を続けるため には自分をいたわることが必要だと思うこと。


■ひとりで考え込まない。専門家や家族、友人などに相談する。 


■外出する機会をつくること。


■家のことを忘れて楽しめる何かを見つける。趣味でもコンサート に行くでもよいでしょう。


■自分がどう思われているかは気にしない。気にしても事態は変わ らないのだからと開き 直る。


■理解してもらおうと思うより、やるべきことをやればいいと考え

 方を変えてみる。




         





どうでしょうか。こんな風にできれば苦労しないという声も聞こえそうですが、まず一つで


も試してみてください。


 全部実行しても構わないのです。介護をしているから「〜でなければならない」という


呪縛を解いてください。どうすれば実行できるかを考えてみてください。













周囲の方は、介護をしている人に「半日くらいならおばあちゃんを見ていてあげるから、映


画でも見てきたら」と声をかけてあげてください。


 もしかしたら「一時間でも二時間でも、ぐっすり眠りたい」という答えが返ってくるか


もしれません。現状はそれほど切迫している可能性もあるのです。


このセミナーの失敗の経験が『老いた親とは離れなさい』につながりました。  




                                                       




 


























   

                               

             
                                                                                 


                                                                 





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